お知らせ
2021.11.24代表選
肝心な層に届く分配策 立憲民主党は声を上げる (23日福岡)
泉健太は23日、立憲民主党本部主催の代表選挙候補者討論会に出席し、「税制を含む経済・外交安全保障」をテーマにして、政見表明や討論を行いました。
泉健太は、議員に就く前にデイサービスのスタッフとして福祉施設で就労していた経験に触れ、介護・保育など福祉施設における待遇改善が必要と指摘。「低所得の方、生活困窮者の方に給付金が届かない問題が起きようとしている」として、立憲民主党として適切な分配策を提起する重要性を訴えました。
会場からは、立憲民主党の党勢回復について質問を出され、「私たち立憲民主党そのものが問われている。どの政党が魅力的で、立憲民主党と近いとかではなく、まずは立憲民主党としての柱を作っていくことが大事だ」と強調。代表選にともに立候補した他候補のような人材の能力を存分に発揮できる党運営を目指したいとも抱負を述べました。
※討論会ごとのテーマは、21日は「コロナ対策と地球温暖化」、22日は「目指すべき社会像」とされ、それぞれ訴えています。
◇冒頭
私自身も福祉施設スタッフを経験、現場の声を経済政策に生かしたい
私は今回の総選挙、九州各地を周らせて頂きました。地元の選挙区を離れて各地を応援するというのはこれまでなかったことです。代表になれば、全国各地の仲間たちも応援をしていくことになりますが、その地域の皆様との対話を大切にしていきたいですし、この前には、お店を何軒か回りまして、例えば「人通りは何割ぐらいなのか」「売上はどうなっているのか」などと意見交換もさせていただきました。
さらにその前には、博多区の高齢者福祉施設を訪問しました。私、実は国会議員になる前にデイサービスのスタッフをやっています。私たち立憲民主党も、介護そして保育また障害者福祉こういう現場の待遇改善を訴えておりますが、私も、実は原体験として、当時から「結婚退職」との言葉が介護の現場にあった。男性が結婚をした時に、家族を養っていくのが難しいので、退職すると。
当時は一般的な話として、やはり介護の現場のお給料は低く、家族は持てない(から)と退職・離職になってしまう。これは今も完全に解消しているとは言えません。他の業種に比べると、こうした現場で働く方々の待遇がまだ低い。今日も意見交換して、そういうお声をいただきました。そんな中でも、現場の皆さんはこのコロナの対応、様々なコロナ禍で家族ともなかなか会いにくい中で、看取りを行ったり、日々のお世話をされたりしているということを伺ってまいりました。やはり現場の声を大切にした立憲民主党でありたいし、現場の声を大事にした経済政策でありたい、ということをまずお伝えしたいと思います。
肝心な層に届く分配策かどうか、立憲民主党は声を上げる
そういった意味で、今回の総選挙で私たちが訴えてきたのは、結局のところ、皆様に届く分配策なのか、それとも皆様に届かない分配策なのかということは、ずっと言ってきた。(自民党の)高市政務調査会長とテレビ討論などをした時に「どういう対策を考えているのか」と聞いたが、「働いている方々のお給料を上げた企業の法人税を下げます」と仰いました。
それも一つの政策でしょう。しかし、例えば、今日はこのように会場におられる方の何割にその恩恵が届くのでしょうか。年金生活者の方にその恩恵は届くのでしょうか。そして主婦の方あるいは飲食店経営の方、様々な方に届かない分配策を自民党さんは仰っている。今回の経済政策でもそうです。低所得の方、生活困窮者の方に給付金とは言っていますが、肝心の100万~200万円の収入の方には今、その給付金が届かないという問題が今起きようとして、我々立憲民主党こそ、こういう問題に対してしっかりと声を上げていくべきではないでしょうか。
改めて現場で誰が苦しんでいるのか。誰が分配を待っているのか、誰が分配によって消費をしていける人たちなのか。そういうことに鑑みれば、私たちの訴えていた経済策は非常に真っ当だと思います。お金持ちがいくらお金持ちになっても使えるお金は限られます。まさに今日、こうしておられる皆様がお金を使える環境を作っていくことが極めて大事だということです。
ですから私は、今回この税制についても、やはり消費税そして法人税・所得税と考えた時に、所得税・法人税はずっと税収が下がり続け、消費税はずっと税収が上がり続け、直間比率は全くクロスになっている。バッテンの印になっている。その消費税だけで社会保障財源をという話に、我々も固定観念になってしまっている。改めて、もう一度、社会保障財源は、消費税だけではない、もう一度フラットにこの日本の税のあり方を考えるべきだと思います。
立憲民主党は、やはり外交や安全保障に強くなければいけないと思っています。昨日も記者会見でもお話ししたが、「経済安全保障」は、中国市場を一番大きなウェイトとして抱えています。特に九州の皆さんは、韓国や中国との商取引も多い。こういう権益を守りながら、しかし一方で、アメリカの方が逆に、日本に様々な圧力をかけてくる。こういうことに対して、しっかりと物申して日本の市場を守っていく。こういうことも私は訴えていきたいというふうに思います。
◇候補者間討論(要旨)
外国人労働者、日本に来てよかったと思える環境を
(西村智奈美候補)
外国人労働者の問題について伺いたい。スリランカ人女性のウィシュマさんの亡くなられたことに言及したが、そもそも日本の入管行政は問題点があって、法務省は収容所の医療体制の見直しをやるとの方針を打ち出したが、足りないと思っている。外国人労働者の受け入れを増やす方向性のようだが(日本に)来てくださった方への、生活支援がまず先にあるべきだと考えるが、どうか。
(泉健太)
介護施設を訪問させていただいた際に理事長が仰っていましたが、日本は呼ぶ時だけいいように見せて、呼んだ後の仕打ちが酷いと。外国からせっかく日本に憧れを持ってきたけれども、例えば技能実習生の制度でも、本当にその技術を教えて本国に帰った時にそれを支える、給料も渡すという会社であればいいが制度を悪用している。
送り出し機関と受け入れ機関の双方においてブローカーが暗躍して、日本に行きたいならいっぱい借金をさせて、日本から帰れないようになってしまう。そういう人たちがたくさんいるという非常に過酷な状況を伺いました。改めて「多文化共生」、日本に来た外国の方をしっかり受け入れて、例えば、その子供たちの教育を受ける権利も非常にまだ曖昧という状況だ。外国から来た方々が、日本に来て良かったと思っていただける環境を作ることを訴える。
入管法の関係については、入管施設が国民の目から遠い存在、見えない存在であると言って良い。医療体制だけでなく、やはり一日の健康管理から外部との接触、第三者支援団体の面談をもっともっと密にできるとの取り組みをしなければ、入管の中でなにが起きているかわからないブラックボックスの問題も出てきている。私たち立憲民主党はこの入管をやはり国民の皆様にも、当事者にもオープンにしていくことに取り組んでいきたい。
◇会場参加者からの質問(要旨)
若者の低い支持「闘う姿ばかり見せてしまっていた」
(質問)
若い人で就職のチャンスが与えられない方がいるが、意外に自民党・与党の支持者が多い。立憲民主党は若い人に対する支持を呼びかける努力が少し足りないのではないか。立憲民主党の主張していることをひきつける努力が必要だ。
(泉健太)
私も認識については同様だ。私も民主党時代、青年局長をやっていたことが、同じ世代で一緒に行動するのは共感を呼ぶ姿勢だ。上から目線ではなく、地域をきれいにするなどいろんな運動はあると思うが、党も全国的に、全国の仲間の若者に問いかけをして、一緒にやろうよ、こうやって世の中をよくしていくのが政治だよ、と言ってまた一緒に行動する。
もう一つは、SNSの時代になって、色々な言説も飛び交うけれども、ともすれば、あえて厳しいことを言えば、大学の教授が学生にアンケートで聞いたら、自民とか維新の方が「改革政党」に見えると。立憲民主党とかは保守に見えると。つい我々は自民党と闘う姿ばかりを見せてしまい、国民の側や若者に対して「僕らはあなたたちのためにこうするよ、あなたたちと一緒にこうするよ」という訴えや姿を見せることがやはり足りなかったのではないかと。闘う場面ばかりを見せてしまっていて来たのではないか。闘うことは大事なのだけれども、闘うことばかり見せることで、支持を得られるか、ということを改めて客観視をしなければいけない。国民のために働く、若者のために働いている、という姿を私は見せていくべきだと思っている。
まず自分たちの柱を作っていくことが大事
(質問)
各社の世論調査で立憲民主党と維新の支持率が拮抗、あるいは逆転している。政権交代を目指す野党第一党の立憲民主党としては由々しき事態だが、原因をどのように考えているか。政権を目指す政党にもう一度立て直すことができるのか。なぜそのような状況が起きてしまったのか原因を。
(泉健太)
今回代表選挙に至ったわけですから、当然我々は危機感を持たなければいけない。我々は本当に政策的には正しかったと思っている。しかし、国民から選択をしていただいていただけなかった。いろんな反省点を、皆さまと共有しなければならない。
我々はどこまで「比例区は立憲民主党をお願いします」という活動ができたのか。ともすれば、政策も運動も「私たち野党は」という言い方をしていた場面も数多くあったのではないか。野党全体が問われているわけではなく、立憲民主党が問われている。まず、何より私たち立憲民主党が問われている。だから、どの政党が魅力的だとか、どの政党が近いとかじゃなくて、まずはやはり立憲民主党が立憲民主党として、私たちの政策を共有して、そして、国民に訴えていくことが何より大事だ。
今のこの状況の中で、どことくっつくという話はするべきではない。まず自分たちの柱をしっかり作っていくことが大事だ。かつて民主党政権を経験したが、政府の不正を文句言うためではなく、変えるためにいる。政権を取らなくてはいけない。政権を取るのなら支持層を膨らませないとならない。
女性議員増やすため相談できる体制を作りたい
(質問)
候補者の擁立で男女同数を目指すというご意見もあるが、実際に女性は家事や育児やいろいろな役割分担を担っているところがあり、女性の候補者擁立というのはなかなか厳しい部分がある。その部分について、具体的にどのように考えていらっしゃるのか。
(泉健太)
意思決定の場に男女同数、ということを明確に泉健太が代表になった場合には実現する。これは党の執行役員においてそういう形で実現をしたい。無理だとか、やめたほうがいいとかいろんなご意見を既に頂いている。でも始めなければ変わらない。始めることで変わっていく。ぜひその姿を見ていただきたい。
女性議員は本当に増やしたい。相談体制、サポート体制がまだ弱いのではないか。ブロックごとでも県連ごとでも、できれば女性の政治を目指す方がおられれば、やはり相談できる体制を作りたい。政治家になりたいと来てくださった方がいたら、当選計画プランを作る、その人に合った、朝の街頭演説は子供のご飯を作るために無理ならば代わりにこれをやろう、SNS はこう使おうと、そういう一人一人に対してあったプランを一緒に作る仕組みを作っていきたい。
立憲民主党はこれから地方選挙において、国政でもそうだが、全国各地、女性の方が立候補された時には、皆が地域をまたいででも応援に行く。こういう文化をぜひ作りたい。維新さんは京都でも和歌山でもどこでも応援に行っている。女性の本当に困ってる方々を応援しに行こう、そういう党文化を作っていきたい。
あらゆる労働環境で心身の健康を守る
(質問)
高校卒業後、いろいろな職種を経験し、コロナの最初の緊急事態宣言では営業職をしていたが、解雇された。若者の投票率はかなり低く無関心と言われるが、若者を念頭においたプランなどがあれば教えてほしい。
(泉健太)
僕自身も30歳までは政治家になる前は、いろんな仕事をやろう思っていた。まだまだこれからいろんなチャンス出てくる。先ほど訪問した介護事業所も人を募集していましたが、そういう仕事もまたすごくやりがいのある仕事ですし、ぜひいろいろと考えながら仕事を見つけていってもらえたらと思う。
日本の経済界は経済成長を考えていく時に、今後もっと雇用は流動化させていくという傾向にある。確かに一つの考え方で、「兼業」とか「副業」というような言い方をされて、(例えば)ウーバーイーツも自分の好きな時にお金を稼げるという反面、やはりそこで健康や労働時間の管理は自己責任にならざるを得ないが、本当に大丈夫かを問わなければいけない。
やはり人として健康、心身の健康を保ち続けるのは、あらゆる労働環境において守らなければいけない。どのような雇用形態になっても、その方が孤立しない、心身を悪化させない。そういう環境を作るために一番頑張っているのが、立憲民主党だと思う。
◇まとめの発言
若手・女性含め、素晴らしい能力が発揮される党に
福岡、そして九州の皆さん、本日はこのような機会を頂き本当にありがとうございました。私がこの代表選を通じて、時には皆様にも厳しいことをお伝えしなければならないと思って闘わせていただいている。それもこれも、やはりこの立憲民主党を愛しているからであり、そして皆様の思いを無駄にしたくない。本当に政治を変えたい、そのためには最終的には野党のままでいることではなく、政権を代えるということなのだと。だからこそ、そのためには我々は苦難を乗り越えて、この党自身も成長させていただければいけない。
私自身が飛び抜けて能力を持っている人間ということではありません。しかし私は政調会長として心がけたのは、やはり若手、女性がどんどん活躍をしていただくような政調にしようということをやってきた。西村さんにも、その意味でこの社会保障調査会長やっていただきましたし、ずいぶん若手の部会長や調査会長も誕生させることができました。私はこの立憲民主党、小川さんや西村さんや逢坂さん、他にも素晴らしい方々がおられます。そういう皆さんの能力が存分に発揮されるそういう政党を創り出していきたいと思います。
みんなの力、地域の力、それぞれの自治体議員さんや党員・サポーター・パートナーズの皆様のお力も、同時多発的に発揮され、全国で「立憲民主党は元気だ、動いている、私たちの役に立ってくれた」。そう思ってくれるような立憲民主党をぜひ作っていきたい。このことを願い、私からの最後の言葉とさせていただきます。
本当に今日は、ありがとうございました。